矢野経済研究所、業務用サービスロボット市場に関する調査報告発表

矢野経済研究所は2020年4月22日、国内の業務用サービスロボット市場を調査し、タイプ別市場規模、用途別動向、参入企業動向、将来展望について発表した。

これによると、2019年度の業務用サービスロボット市場は64億6,400万円(同127.9%)に成長する見込みで、歩行支援目的のパワーアシストスーツ以外の業務用サービスロボットは、労働力補完につながる点がメリットとして挙げられることが分かった。

同調査では、6つのタイプのロボットを対象として市場規模を算出。

  • 業務用途でのサービスを提供するロボット
  • 搬送ロボットや掃除ロボット
  • パワーアシストスーツ
  • レジロボット
  • 検査・点検ロボット
  • 警備ロボット

このうち市場拡大を牽引したのは、製品価格が搬送ロボット(非ガイド走行式AGV)と、低価格だが出荷数量が多いパワーアシストスーツ。床掃き・床洗浄・窓拭きなどの掃除ロボットも一定の存在感を示したという。

歩行支援目的のパワーアシストスーツ以外の業務用サービスロボットでは、「労働力補完」が導入メリットとなる。つまり、導入検討時の判断材料は、ロボット使用場面に応じた使いやすさ、どれだけ人の労力を削減し作業効率を上げられるか、という「コストメリット」となる。

一方、歩行支援目的のパワーアシストスーツについては、使用者の歩行機能回復(維持)が重視される。主目的が、理学療法士などの作業負荷軽減のみならず、使用者の身体機能回復である点は、他の業務用サービスロボットと事情が異なる。

今後も、搬送用途、清掃用途、パワーアシストの領域が市場拡大を牽引し、2022年度には129億1,500万円に成長する見込みだという。

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