「個人の繋がり、開かれた組織、社会への感度」が重要な時代へ

一般社団法人日本能率協会が行ってきた「KAIKA Awards(カイカアワード)」が、平成最後となることを受けて、2018年12月11日、KAIKA研究所は「KAIKAトレンド漢字」を発表した。平成の30年間で、経営や組織、働き方の傾向がどのように変化したのか読み取れる。

1.個人は「単」から「繋」へ

バブル経済の余韻が残る平成初期は、社員一人ひとりの働き方やライフスタイルの個性が尊重されていた。雇用形態の多様化や、成果主義の導入が進められ、個人一人ひとり(=「単」)の スキル・能力、成果や市場価値に焦点が当てられる傾向が強かった。

30年を経たいま、人と人との関わり、ネットワークを重視する傾向(=「繋」)が強まった。背景にあるのはSNSの普及や2011年の東 日本大震災など。働き方がさらに多様化するいま、繋がりを重視する傾向は、今後も一層強まるという。

【SNS普及の3ステップ】
・2004年(平成16年)「mixi」がスタート
・2008年(平成20年)「Twitter」日本上陸
・2010年(平成22年)「Facebook」日本に上陸

2.  組織は「団」から「開」へ

平成初期は、団塊の世代がミドルマネジメント層を占め、年功序列が当たり前だった。会社への高い忠誠心や団結力(=「団」)が、組織の強みとなっていた時代。

平成30年になると、組織がよりオープンになり、外部との連携を深める傾向(=「開」)がみられるという。バブル崩壊による大規模リストラ・事業再編やM&Aの増加、また2000年代に入ってからのインターネットが飛躍的な普及によって、オープンイノベー ションや、他社・異業種・地域等とのコラボレーションがどんどん進められている。

3. 組織の社会性は「効」から「感」へ

平成初期は、昭和の時代から引き続き、大量生産・大量消費のビジネスモデルで勝てた時代だ。より良い商品やサービスを、より安価に提供する、効率的な経営を追求する企業が大半だった。

しかし平成が終わろうとするいま、効率重視の経営が見直されつつある。消費者への体験・経験を重視した経営、デザイン思考による経営への関心も高まっている。

新たな価値を創出するためには、目に見えないけれども人々の心を動かす感性や、社会への感度をあげることが、より一層重要になっていくのではないだろうか。

【背景にあるキーワード】
・連結決算の導入
・キャッシュフロー経営の広まり
・グローバルにおけるデジタルエコノミーの台頭、競争激化
・CSR
・SDGs

「個人の繋がり、開かれた組織、社会への感度」が重要になるという時代の流れを知っておくことで、長期的な視点でキャリアを考えるなかでも新たな気づきを得られるのではないだろうか。

『Becoming』ではキャリア相談を承っております。
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