キャリアコンサルタントとして「家族のキャリア戦略」を支援させていただくにあたり、私が大事にしたいなと思っているのは「夫婦とはこうあるべき」と決めつけないこと。とはいえ、キャリアの観点から夫婦の関係性を描く足がかりとして、モデルケースがあると便利です。現状把握・今後の対策をたてるのに役立つ「5つの夫婦モデル」を図解してみました。
理想の夫婦像は、人それぞれ
「家族のキャリア戦略」を支援させていただくにあたり、一番大切にしたいと思っていることがあります。それは、「こういう夫婦になるべき」「家族のキャリア戦略はこうあるべき」と決めつけないことです。
キャリア設計は、これまでキャリアを築いてきた時代背景、家庭環境、資質、志向など、多面的にとらえる必要があります。多面的かつ客観的にとらえて、自己肯定感を高めつつキャリア設計を進めたほうが、きっとうまくいくと感じているからです。
本当に築きたい家庭像や夫婦関係を描かないまま、ある一定の”正解”に自分を当てはめていこうとしても、家族間でキャリアについて話し合うフェーズには、なかなかたどり着けないのではないでしょうか。
夫婦でキャリアについて考えてみよう
自分のキャリア、子どものキャリア教育、パートナーのキャリアを応援したい気持ちなど、家族のキャリア戦略をたてるためには、まず絡み合った想いを紐解くことが大切だと思います。
その一助としてご提案したいのが、「5つの夫婦モデル」。稼ぎ手はひとりだけなのか、共働きなのか、どのような役割分担・パワーバランスなのか。現状を把握してみることで、次はどのようなモデルを目指したいのかを描きやすくなります。
これは、アビバ・ウィッテンバーグ=コックス氏(ジェンダー・バランスの支援を専門とするコンサルティング会社、トゥエンティー・ファースト(20-first)のCEOで「Seven Steps to Leading a Gender-Balanced Business(未訳)」の著者)の記事(Harvard Business Review 2018年3月29日掲載)を参考に作成した図解です。
どのモデルが一番良い、ということではありません。どのモデルにも、それぞれメリット・デメリットがあります。
同時に、一生同じモデルを継続する必要もありません。子どもの有無や年齢、仕事や勤める企業の性質によって、シフトしたり、いいとこ取りをしてバランスと取るというやり方もあると思います。
家族のキャリア戦略をたてる第一歩となるのは、夫婦の在り方について「どのモデルを選択するのか、夫婦ふたりで一緒に設計する」ことなのではないでしょうか。
私の実感としては、男性よりも女性のほうがこの概念にビビッと響くイメージです。女性は、出産や育児、マミートラックなど、自身のキャリアや働き方について見直しを求められることが圧倒的に多いためです。
パートナーとの”温度感”にモヤモヤ、どこかイライラする局面もたくさんあると思います。けれども、そんなあなたは、家族の中で一番最初に課題を発見したリーダー!!
ぜひ「家族のキャリア戦略」をともに推進していきましょう。
パートナーにそんな変化を感じた男性は、少しでもよいので、耳を傾けてあげて欲しいなと思います。短期的にはメリット感のない提案のように感じられるかもしれませんが。
仕事期間が長期化するいま、家族というプラッットフォームを立て直し、互恵的な夫婦関係を築けることは、かけがえのない財産になるのではないでしょうか。
ちなみに、5つのモデルそれそれのメリット(利点)やデメリット(欠点)およびリスクについては、日本社会の特性を加味し考察を深め、後日また記事にしたいと考えています。お楽しみに^^
→→→家族のキャリア戦略とは何か? 家族で、お互いのキャリアを支え合いながら 長期的にキャリアを設計していくことの重要性についてまとめました。 ぜひ合わせてお読みください。