「家族のキャリア戦略(ファミリーキャリアプラン)」に必要な3つのこと

結婚したりパートナーを持つと、子どもの有無や人数、親との付き合いや介護など、さまざまな役割に意識を向けることが求められます。仕事やキャリアの妨げになるとネガティブに捉えず、長期的に豊かなキャリアを築くためには、3つのことが必要です。

1つめは、「圧倒的な自己理解」。2つめは、「家事育児の戦力確保」。3つめは、「キャリニーズの可視化」です。

この3つを各自で努力し、家族で共有して相互理解を進め、「家族のキャリア戦略(ファミリーキャリアプラン)」をたてることで、両立をしやすくなります。それどころか、キャリアに対してもっと野心的になれる、と私自身は感じています。

今日は、妊娠期間中も含めて育児をしながら5年間で転職4回と独立を果たした経験を振り返って、「家族のキャリア戦略」にたどり着くために必要だったことを3つに絞ってお伝えしたいと思います。

ちなみに、私が「家族のキャリア戦略」の重要性に気がついたエピソードは、「家族のキャリア戦略(ファミリーキャリアプラン)とは?」という記事にまとめています。ぜひ、あわせてお読みください。

家族のキャリア戦略(ファミリーキャリアプラン)に必要なこと

(1)圧倒的な自己理解

家族のキャリア戦略をたてるにあたり、大前提となるのは「自分がどうしたいか」を言語化することではないでしょうか。

将来の夢や願望、想いなどの内面を打ち明けるだけでは、現実的な話は深まりません。客観的に自分の現状を棚卸する「圧倒的な自己理解」が必要です。

  1. いつくらいまでに、どんな風になりたいのか
  2. 自分の強み(他の人に負けないバリュー)は何か
  3. 保有スキル(武器にできるもの)のラインナップ
  4. なりたい姿のために、不足しているものは何か
  5. どれくらいの工数をかけて、量・質ともにどんな成果を出せるのか(生産性)

私は、この5つの項目について自分自身を捉え直し、家族で話し合うことが大切なのではないかと考えています。

どのように圧倒的な自己理解を進めていけばよいのか、「圧倒的な自己理解に役立つ2つのフレームワーク」という記事で紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。

(2)家事育児の戦力確保

家族のキャリア戦略における5つの夫婦モデル」でお伝えした通り、シングル型以外のリード型・平行型・交代型・補完型の夫婦モデルにおいては、共働き家族となります。

(リード型は別かもしれませんが)夫婦がそれぞれ、家事育児とキャリアの両立という課題に直面することになるでしょう。そうなると、家事育児を誰が担うのか、外部に協力を求めるのか、といった「家事育児の戦力確保」が両立の鍵となってきます。

しかし内閣府の発表によると、6歳未満の子どもをもつ男性の家事・育児関連時間は、女性が7時間34分であるに対して、男性は1時間23分。欧米諸国と比較すると、日本では男女の負担比率が圧倒的に女性に傾いてしまっているのが現状です。

夫婦がお互いのキャリアを尊重し応援し合うためには、このアンバランスをもう少し是正していく必要があるのではないかと思います。

個人的には、「男性はもっと家事育児の時間を取るべきだ」と批判するだけでは、男性が一方的にブラック企業化するだけで何も解決しないのではとも思っています。

ですので、「家事育児の戦力確保」については、外部からの支援を上手に得ることが、とても大切です。

  1. 男性の家事育児時間の確保
  2. 保育園や幼稚園、学童など子どもの預け先の確保
  3. 両親や兄弟/姉妹のサポートを得る
  4. 行政サービス(ファミリーサポートなど)
  5. 民間サービス(ベビーシッターや家事代行、ネットスーパーなど)

4,5の行政や民間のサービス内容を調べたり、依頼・手続きを進めることは、仕事の合間にも十分できます。男性が自分自身では戦力になることが難しい場合には、ぜひ率先して戦力確保を進めていただきたいですね。

(4,5の手配や日程調整には、意外と時間や労力がかかります。我が家では夫が自主的に・またはお願いすると優先度をあげてやってくれるので、とても助かっています)

これから執筆予定の「家事育児のアウトソーシングこそ、パパ(父親)にやってほしい理由」も、ぜひ合わせてお読みください。

(3)キャリアニーズの可視化

「圧倒的な自己理解」と平行して進めていただきたいのが、「キャリアニーズの可視化」です。なりたい姿を実現するために、キャリア開発のために、何を優先したいのかを4象限のフレームワークで可視化する作業です。

1つの軸は「インプット重視か、アウトプット重視か」。インプットは、なりたい姿のために不足しているものを埋める行動。アウトプットは、成果をある一定の形として完成させるための行動です。

もう1つの軸は「短期的なニーズなのか、長期的なニーズなのか」。1〜2ヶ月単位の短いスパンで達成したいニーズなのか、半年や1年〜数年かけてでも取り組みたいニーズなのか。

この2軸の掛け合わせで、いまキャリアのために優先したいことが何なのか、4つの区分で整理することができます。

  1. 短期的にインプットを強化したい(勉強会、セミナーへの参加など)
  2. 長期的にインプットを強化したい(MBAや留学など一定期間を要する学び、ステージの移行など)
  3. 短期的にアプトプットを強化したい(試験を受けて合格する、イベントに登壇する、プロダクトを完成させるなど)
  4. 長期的にアウトプットを強化したい(起業・独立、転職など)

子どもが大きくなった時には、受験や習い事などもこのフレームに当てはめて考えることができるでしょう。

家族でお互いの自己理解とキャリアニーズの両方について話し合うことができれば、家族として何を優先すべきか、どのニーズをみんなで支援すべきか、といった建設的な会話が成立するはずです。

キャリアニーズの可視化とやること・やらないことの決定や機会損失についてのフレームワークは、これから執筆する記事で図解する予定です。

まとめ

今回は、家族でお互いのキャリアを理解・支援し合うために必要なことを3つお伝えしました。これから、各項目について掘り下げて書いていきたいと思っています。

また、妊娠期間中から復職後のキャリアのためのロードマップも図解したいと思って鋭意作成中です。きっと計画したとおりには行かないものだけれど、少しでも、家族でお互いのキャリアを支え合いたいと考えている方々の一助になれれば幸いです。

→→→家族のキャリア戦略とは何か?
家族で、お互いのキャリアを支え合いながら
長期的にキャリアを設計していくことの重要性についてまとめました。
ぜひ合わせてお読みください。