ついに、保育園最後の日を迎えました。6年間、長かった。楽しかった。つらかった。今日しか書けないと思うので、子どもの成長とじぶんのキャリアについて、振り返っておきます。
「この世に生まれてよかった」と思ってほしい
子どもが月齢4ヶ月で、育休復帰した私。0歳から保育園に預けることに「罪悪感」があったうえ、義母から「私は反対よ」とズバリと言われて凹んだり、夜中も授乳が続いていたりと、心身ともにかなりハードでした。
2ヶ月に1度は、39度近くの高熱を出していたのも、いきなりフルスロットルすぎて、身体がついていってなかったのだろうな・・・。
でも、キャリア的には「修行の身」という意識が強く、専門性を磨かなくてはと、かなり焦っていました。時短のワーママでも戦力になる、と認めてもらわなければというプレッシャーもありました(勝手に)。
そんな中、保育園から「どんな子どもに育ってほしいか」といった(具体的な質問は忘れてしまったけれど)「目標」を尋ねられました。いま思うと、これがすごく良かった。
とにかく、赤ちゃんには「生まれてきてよかった」と思ってもらいたいな、と思いました。毎日よく眠り、よく食べて、よく笑い、楽しく過ごしてもらえたらそれでいいなと。
0歳の保育園生活スタートと同時に、子育てで何を大切にしたいか、自分なりの価値観を持つことができたのは、保育園の先生方からの問いかけがあったからこそ、でした。ありがとうございました。
4ヶ月間の週末スクーリングで、夫がワンオペに奮闘
0歳児は、日中でも眠っている時間が多いので、保育園でたくさんの大人に成長を見守られながら、よく眠り、よく食べて、楽しく過ごせる様子に、安心していたのですが。
1歳や2歳の育児では、立ち歩きやおしゃべり、遊びにも気をつかうようになり、「0歳のほうが楽だったな〜」と思うようになりました。というのも、朝8時から夕方6時まで、保育園に預けっぱなし。「この過ごし方じゃマズイのでは」と迷いが生じたのです。
当時は、リモワという概念も知らず、許されておらず。時短でも通勤に往復2時間かかれば、結局子どもと過ごせる時間は朝と夜の数時間。食事、お風呂、家事、とタスクをこなすのが精一杯で、子どもとしっかり向き合って遊ぶゆとりはあまりなかったのです。
そのことがとてもストレスで自己嫌悪で、でも自分のキャリアも「行きたい道が分からない」迷子のような状態。このときが、一番つらかったああぁ。。
そこで思い切って、キャリアコンサルタントの資格の学校に通うことにしました。「ロールモデルがいない」「悩み相談できる人がいない」という絶望的な孤独感から、自分で自分にアドバイスするしかないと考えたのです。
職場には、子育て経験者の女性先輩社員はおらず、両立の悩みを分かってくれる人も、具体的なアドバイスをしてくれる人も、いなかった。唯一、話の合うワーママがいたことは救いでしたが、毎日ジェットコースターのように仕事をこなす時短同士では、ゆっくり話したりランチする間もなくて笑。
自分のキャリアや志向を客観的に理解し、進むべき道を自分で決めたかった。
スクーリングは、4ヶ月。週末の土日、朝9時〜夕方6時まで。当時、平日は激務だった夫が、土日ワンオペを頑張って協力してくれました。
私も、朝早く起きて夕飯の準備や洗濯を済ませてから、2人が眠っているうちにこっそりと出発するなど、少しでも夫が家事の負担なく子どもが向き合って過ごせるよう工夫しました。
でも、朝出かけるとき、子どもに見つかってギャン泣きされたときは、私まで泣きながら出かけたり。その光景は、今生の別れかというほどウェットで、いま思えばとても大げさ笑。でも、子どもに「行かないで〜 !!」って泣かれると、すごく悪いことをしているように思えて、自分の学びを優先することが母親として失格なような気持ちになって、苦しかったです。
働き方改革は、日々の生活を豊かにする
こうして無事、キャリアコンサルタントの資格を取得し、「ライターとキャリアコンサルタント」のパラレルワーカーで行こう!と軸が定まったのは、スクーリング最大の成果の1つ。
当時2016年は、まだ、「働き方改革」という言葉はそこまでメジャーではなく、女性活躍推進法のほうが話題で、「両立」や「リモートワーク」という言葉が少しずつ脚光を浴びつつありました。
私は、「働き方」をテーマに、いろんなことを取材したい!と思い、転職。時短で副業もOKというスタートアップで、編集者として働き始めました。
それから早5年、「働き方改革」を追い続けているわけですが、この選択がめちゃめちゃ良かったです。さまざまな有識者、イベント登壇者の方々の知見を一次情報として入手でき、「働きがいと働きやすさの両立」に悩む当事者として、また次世代を育てる親としても、多くのことを学びました。
働き方改革は、労働時間短縮や生産性向上という視点で語られがちです。人口減少を背景として、国主導で発信されたキーワードでもあるため、どこか「やらされ感」や「福祉的な権利付与」が漂いますが、働き方改革の本質は「固定概念の脱却」と「自律性向上」、これに尽きます。
0歳の子どもを保育園に預ける罪悪感も、「私は反対よ」と言った義母の悪気ない一言も、全部、時代や育った環境で無意識に培われたバイアスなだけだったのです。
男性がワンオペしたり育休取得するのが珍しいことも、憧れる女性のロールモデルが社会に少ないことも、誰のせいでもなく、かつて大量生産大量消費の時代に経済を発展させるために考案された「終身雇用制」や「性別役割分担」が、これからの時代にそぐわなくなっただけのことだった。
そう思うと、なんだかすごく楽になったのですね。自分も悪くないし、家族も上司も同僚も、誰も悪くない。要は、「じゃあ自分はどうしたいか」。それだけが大事なんだと気がついたのです。
子どもにも、この気づきを共有したい。そこから、3歳以降の育児で大切にしたいことが明確になって行きました。
・誰かの目を気にして、気持ちや行動を制限する必要はない。(ただし、人を傷つけたり、困らせるのはだめ。)
・本当に好きなことに没頭することが大事。(誰かと比べる必要はない)
・楽しいことに多くの時間を使うために、効率よく動く。やるべきことは先にやる。
・自分の考えや気持ちは、我慢しないで相手に伝える。折り合い点が見つかるまで、話し合う。
・自分で考えて動くこと。状況判断で。
私は子どもに、日々こういう視点で声をかけています。
働き方改革は、強制されたり与えられるものではなく、掴み取るものだという側面があります。自分らしい働き方や生き方を掴み取る過程で、自分で勝手に作っている枠を取っ払って、あたらしい自分に出会えるのではないでしょうか。そして、そんな風に「チャレンジする親」を、子どもはしっかり見ていると思います。
驚かされてばかりの子どもの成長
保育園最後の日、子どもの成長を改めて振り返ると、驚くことがたくさんありました。
私が両立に疲労困憊して会社を辞めたくなったとき、「お仕事をやめちゃったら、保育園に通えなくなっちゃうんだけど、どう思う?」と、当時3歳だった息子に相談してみると、2秒ほど沈黙したのち「やま組(年長)になりたい」とはっきり意思表示をしたこと。これは転職や独立の励みになりました。
顔に水がかかるのが嫌で、洗髪では毎日泣いていたのに、「プール教室に通いたい」と自ら言い、しばらくすると、自分で顔にシャワーをかけたり湯船に顔をつけたりして、「自分なりのトレーニング方法」をあみだしていたこと。
大好きなLaQで、いろんなものを設計図を見て作り、クラスでもトップクラスの「作り手」になっていたこと。そして、保育園でお友達に作ってあげて、「人の役に立つものを作れる人になりたい」と、ありたい姿を言葉にしたこと。
私たち夫婦の力だけではなく、保育園、お友達、同級生のパパママ、私たちの親兄弟、親戚、私たちの仕事仲間やお友達家族、シッターさん、たくさんの人の力を借りて、ここまで大きくなったんだなと思います。
ありがとうございます。
これからも、頑張ります。
そして、子ども本人の伸びる力をリスペクト!!
0歳のときみたいに、「小学校で大切にしたいこと」を、いままさに考え中です。指針を明確にして、意図を持って接してあげたいと思います。
家族のキャリア戦略を加速したい
この6年間で、「家族のキャリア戦略」という言葉が、わが家の合言葉になりました。家族の1人ひとりが、「どうなりたいか」を、お互いに共有して、どのプロジェクトを家庭内で優先するか、話し合って日々を過ごしています。
家庭を自己実現のプラットフォームだと捉えることが、これからの両立の鍵になるのではないでしょうか。
子どもの進級とともに、私もキャリアコンサルタントとして1段高みに登れるよう、精進したいと思います。
世の中は大変な状況です。だからこそ、自分のことや、自分の家のことばかりではなく、「誰かの役に立つ」という意識で行動していく。「まずはGiveから」と、先日の取材で良い言葉を聞いたので、私も私にできることを始めてみます。