満足するだけでは、人は“幸せ”にはなれない

LIFE  SHIFTで「エクスプローラー」と定義されるキャリアステージについて説明するとき、好例として必ず紹介させていただく方がいるのですが、その彼から聞いた話がとても印象に残っているので共有したいと思います。

彼は北京、上海、台湾、深センを渡り歩き、3カ国語を操って自分にしかできない仕事を創造してきた経歴の持ち主。

ここ数ヶ月、心理学について学ぶ機会があったそうで、「幸福と満足の違いについて、自分が考えていた仮説が正しいと確信できた」という話を聞かせてくれました。

 

「幸福と満足の違いって何だと思いますか?」

そう尋ねられて、

「満足は、他人と比べることなく、自分がよいと思うことで満たされること?」

と回答するや、

「真逆です(笑)」

と言われてしまいました。

 

満足は、他人からの要求を満たしたり、他人と比較したときに達するべき水準を満たしたときに感じるものであるのに対して、

幸福は、自分で決めたことを成すことができて、初めて得られる。

ということらしいです。

 

「幸せかどうかは、その人が決めること」という言葉は、よく耳にします。

キャリアコンサルタントの学びの場でも、当たり前のように聞いてきたのですが、

この問いのおかげで、満足だけでは、人は幸せにはなれないということを、忘れかけていたことに気がつきました。

 

では、どうすれば幸せになれるのか。

まずは、小さなことでもいいから自己決定して、その自己決定したことを達成できるよう、努力するのです。

 

今日は餃子を作って食べようでも、

SNSを見る時間を先週の半分にしようでも、

TOEICで700点以上取ろうでも、

人に相槌を打ちすぎるのをやめよう、これまでの3回に1回にしようでも、

何でもいいのです。仕事に関係することでも、日々の暮らしぶりや態度でも。

 

何でもいいから、「自分はこうありたい」ということを定めて、それを実現できるように行動して、その目標を達成する。

そこには、他人からの評価も、他人との比較もありません。

ただ、「自分はこうありたい」という自分軸で目標を達成する、それが1つできるだけで、「幸せ」な気持ちを感じられるはずです。

 

働くうえでも、家族との暮らしのなかでも、

「自分はどうありたいか」を起点に動くからこそ、幸福感を得られていくのだと思います。

 

でも、簡単なようで、難しい気もします。

 

難しい理由は、人はいろんな役割を担って生きていることがほとんどで、他者との関わりの中で要求されることや、相手に何かしてあげなくてはと想うことが、山ほどあるからではないでしょうか。

 

自分からも周囲からもいろんな声が溢れています。

だから、「私はこうありたい」というか細い声はかき消されてしまう。

 

私はキャリアコンサルタントとして、ありたい姿を言葉にしてゆく過程に寄り添い、ありたい姿になり続けていく支援をしたいのだと、心あらたにそう思いました。

何か言葉にならない想いをお持ちの方がいらっしゃったら、ご連絡いただけると光栄です。

 

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