スリール株式会社が2017年8月に実施した調査によると、出産を経験していない働く女性のうち実に92.7%が、将来の仕事と子育ての両立について不安を抱えているそうです。
回答者数は498名。インターネット調査とのことでアンケート対象者の職業や居住区などは不明であるもの、20代〜30代で出産未経験の働く女性のうち9割以上が「子育てをしながら働くのはかなりハードそうだ」と感じている事実が浮き彫りになりました。
耳が痛い話です。この調査結果にも出てくるように、「すみません!」と頭を下げてバタバタと逃げるようにオフィスを後にしたこと、何度もあります。(保育園のお迎えの時間が迫っているため、数秒遅れて次の電車を待つことになったらやばい!とかの理由で。)
こういう姿を醸していたら、これから結婚する女性や出産を意識し始めた方が「私もあんな風に働きながら子育てしたいな」なんて、思えないだろうなって自分で思ったときがありました。
もしあなたが会社の先輩女性社員を見たり、お友達の話を聞いたりして、将来の仕事と子育ての両立にモヤモヤしているのなら、この調査結果をまとめた「両立不安白書」を一読されてみてはいかがでしょうか。
なぜ、何が、不安なのか。きっと的確に分かると思いますし、後半のパートではモヤモヤ解決法についてもまとめられています。
ただ、「将来の出来事が不安でモヤモヤする」こと自体への解決法についてはあまり言及されていませんので、私の考えを述べたいと思います。
子どもを授かれる時期は、確率の問題は別としても、生理学的に限りがあります。子どもを希望するのであれば年齢や体調管理については意識した方が良いですし、パートナーとも話し合えるとより良いでしょう。
しかし子どもを授かれるかどうかやその時期については、ほとんどの場合が予め決められるものではありません。また、子どもの個性に合わせて育児をしていく中で、遅かれ早かれキャリアを見つめ直すタイミングは誰しもに訪れるもの。変化は必然なのです。出産後、自分自身の気持ちが産む前に考えていたのとは想像もできないほど大きく変わることだって、少なくないんです。
そう、出産・育児ありきで将来のキャリアプランを描くには変数が大きすぎるんです。
将来への漠然とした不安を解消するために、両立についての情報を収集したり、お手本にしたいなと思える人との出会いを大切にすることなどの備えも、確かに有効ですが、一方で「そうなった時は、それはそれ」(子どもができてから考える、の意味)と割り切って、キャリアにまっすぐ向き合う姿勢を貫くことも大切なのではないでしょうか。
キャリアにまっすぐ向き合うというと言っても、ハイパフォーマーで上昇志向の管理職といったいわゆるステレオタイプを目指すことだけが正解ではない時代です。
「仕事を通じて、どんな自分でありたいのか?」
子どもや家庭に左右されず、自分のなりたい姿を自由に描ける時期もまた、振り返ればかけがえのないものです。ひとまず理想を描いて、その方向へ歩み始めることが大切です。ビジョンさえあれば、軌道修正はいくらでもできるのですから。
20代、30代のかけがえのない時間をモヤモヤして過ごすなんて、もったいないですよね。
『Becoming』ではキャリア相談を承っております。 お仕事や就転職のお悩み、ワークライフバランス、女性のキャリア開発など、 お一人お一人の悩みに寄り添い伴走させて頂きます。 「家族のキャリア戦略(ファミリーキャリアプラン)」にご興味のある方、 ぜひ一度お会いしてお話しましょう!