コロナが落ち着いたら会社に戻る? — ホンダの原則出社や富士通の固定席撤廃から考える

日本でもようやく「ウィズ・コロナ」の動きが出てきました。そんななか、恐れていた「テレワークをやめてオフィスに戻ろう」という動きもチラホラ・・・。

 

2022年4月、大手輸送機器メーカーのホンダさんが、テレワークをやめて「原則出社」を宣言しました。

 

東洋経済さんが詳しい記事を載せておられます。

記事はこちら

 

このほかにも「ホンダ テレワークをやめて 原則出社」のニュース記事を読む限り、

「イノベーションの創出」「コミュニケーションの活性化」のため、リアルを重視して、社員を(半強制的に)呼び戻した

と読み取れるのですが、どうなんでしょう。

 

私がとても期待している「空飛ぶクルマ」を開発する、

東大発スタートアップのテトラ・アビエーションさんでは、

開発メンバーは副業人材も含めて世界各国から集まっていると、以前の取材で聞きました。

 

空飛ぶクルマは、まさにイノベーションの最先端。

もちろん事業をゼロから作るのか、既存から脱却して新規事業をおこすのかという、企業が直面する状況の違いはあるのかもしれませんが。

 

ちなみに、このテトラ・アビエーションさんは、

2020年に米国で開催された

Boeing社後援のエア・モビリティ開発コンテスト「GoFly」において、

Pratt and Whitney Disruptor Prizeを受賞し、

世界各国からの参加チームの中で、唯一の受賞企業という実績を残しました。

続いて、コロナ禍の2021年には商用機を発表し、受注を開始、2022年度中に引き渡しを開始すると発表しています。

 

イノベーションは、リアルで集まらないと、生まれないのでしょうか?

 

 

他方、「コロナ禍でリモート化に成功した」とされる企業もあります。

例えば、総合ITベンダーの富士通さん。

 

こちらの記事を読むと、

2020年7月に「オフィス面積を半減する」と宣言し、

リモート前提のオフィス環境を構築する方向でプランを実行中で、

「進捗は50%」としながらも、社員の固定席は撤廃したそうです。

 

こちらのコメント、面白いと思われませんか?

「想定外だったのは、出社率が上がってもオンライン会議の回数が減らなかったことだ。メンバー全員が集まることは少なく、オンラインでも接続する必要性は変わらなかった」(記事より抜粋引用)

 

出社率が上がっても、「原則出社」ではないから、

「全員がリアル集合することの方が稀」(誰かがオンラインで参加してる)というのが

リモート前提で働く、リアルな実情のようです。

 

こういうのも、やってみないと分からないことですよね。

 

 

そして、昨今の取材でもよく聞いたのが、

「コロナ禍で、確かに日本でもデジタル化は進んだけど、海外と比べるとその影響範囲は極めて狭く、さらなる大きな遅れをとった」

という話です。

 

人材確保の難易度が上がりつつづけるいま、

やっぱり、どんな事情があったとしても、「原則出社」は流石にあり得ないな。

というのが、いまの私の見解です。

 

 

昨年、「ファミリーキャリア」をテーマに、キャリア相談を承ったときには、

「親の介護が、いまはリモートだからできているけど、会社に戻れと言われたら破綻する」

というご相談者さんもいらっしゃいました。

 

「2025年」といわれる超高齢化社会も目前のいま、

「リモート前提」で労働生産性を上げていくことこそ、

個人にとって、企業にとって、国にとっても、豊かさを享受するための鍵になるのではないでしょうか。

 

 

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