転職に成功するワーママに共通する3つのこと

転職したいと考えているワーママさんからキャリア相談をお受けするなかで気づいた、「成功するワーママ」の共通点を紹介します。出産・育児と転職5回を両立した私自身の経験も踏まえて、ワーキングマザーの転職の秘訣について考えをまとめました。

転職に成功するワーママの共通点(1)武器とするべきコアスキルが明確

ワーキングマザーに限らず、転職活動をする時に大切なのは、応募する求人の職種や仕事内容に対して、自分が武器とするべきコアスキルがマッチしていることではないでしょうか。

自分が武器とするべきコアスキルが何か。これが明確に語れるワーキングマザーさんは転職に強いです。

営業のお仕事をしてこられた方なら、どんな営業スタイルなのか。粘り強くヒアリングを重ねて関係構築できることが強みである、データを活用して論理的に提案できることが武器である、などさまざまなケースがあるかと思います。

経理や営業事務など、補佐的なお仕事をしてこられた方なら、その専門性がコアスキルとなる場合もありますし、段取り良く仕事を進められる手際の良さがコアスキルとなる場合もあるでしょう。

コアスキルとは、「経験した職種や仕事内容」そのものでありません。その仕事を通じて身につけた、「自分なりの知識(ナレッジ)」や「専門性」なのではないでしょうか。

応募しようとしている求人案件で、それらの「強み」を「どう活かせるか」を語れるワーママさんは転職に成功する確率が高い印象です。

転職に成功するワーママの共通点(2)トランスファラブルスキルを持っている

トランスファラブルスキルって、一体何のことでしょう?それは、職場を移動しても、持ち運びできる(トランスファラブルな)スキルのことです。

例えば、業界の知識は、異業種の同じ職種へ転職する際には有利ですね。他の業界での成功事例やトレンドを、転職先の業界に当てはめることができれば、大きなメリットになります。

他にも、「メンバーを育成した経験がある」「社内のプロジェクトを管理した経験がある」「困難な場面でも自律的に立ち向かった経験がある」「地道にコツコツと続けた経験がある」など、どんな職場や仕事でも転用できるスキルは全て、トランスファラブルスキルと言えるでしょう。

正社員としてではなくパートやアルバイトとしてでも就労経験があれば、必ず何かが身についているはずです。また働いていなくても、例えば主婦としての経験から仕事に転用できるスキルもたくさんありますし、これまで打ち込んできた趣味などがあれば、そこからもトランスファラブルスキルを見つけることができるでしょう。

転職に成功するワーママは、このトランスファラブルスキルについて、ご自身のこれまでの経験をしっかりと棚卸しして自己理解を深めています。「ワーママだから、時短だから」と卑屈になることなく、他者にしっかりと説明できるまで、客観的に自分を見つめることが、転職が成功する秘訣なのではないでしょうか。

転職に成功するワーママの共通点(3)就労条件と理由を、本音と建前に分けて語れる

ワーキングマザーが転職を考える時・・・。それは多くが、「この働き方はもう辛くて続けられない」「疲れてしまった」というネガティブ要因が先に立っているように思います。

私も実際、そうでした。家事や育児と仕事を両立しようとすると、子どもの成長や発育状況によって、働き方への要求も変化します。パートナーの転職などの影響も大きく受けるでしょう。

働く時間を短くしたい、出勤する日数を減らしたい、と願う理由が、企業側からみるとデメリットなのではないか、と考えると、どうしても自分の立場がとても弱く感じられてしまうものです。

転職に成功するワーキングマザーたちも、同じ気持ちだったようです。けれども、上手に立ち回っているなあ、という印象なのです。

何が上手って、「譲れない条件」が明確なんですね。それと、「それはなぜか」という理由がはっきりしている。つまり、人生における優先順位が明確なのだと思います。

子どもに通わせたい幼稚園があるから、その送り迎えのために週○日勤務がいい。絶対に収入はいくら以上でないと困る。キャリアアップのため、職種は絶対に○○がいい。など・・・。

職種、仕事内容、収入、待遇、立地、働き方などのMUST条件とWANT条件を明確にした上で、応募しているんです。だから、自分に合う求人案件に最短距離でリーチできるし、雇用契約を結ぶ際にしっかりと交渉もできる。

企業側の要望をヒアリングしながら、「どこまで本音を言っても大丈夫かな?」と探りながら、時には(あとで自分が苦しくならない程度の)建前も上手に使って労使交渉に持ち込んでいるのです。

自己理解を深めることが重要

転職に成功するワーママに共通する3つのことを紹介しましたが、その前提となることは「自己理解を深めること」なのではないでしょうか。

ワーキングマザーになると、独身や子どもが生まれる前よりも、「自分のキャリア」を描きづらくなりがちです。

慌ただしく時間に追われてゆっくりと考える時間を持ちづらいですし、子育てにはかなりの体力が奪われます。「母親」としての役割や責任感も生まれることから、ビジネスパーソンとしても母親としても中途半端なのでは?と自信を失いがちです。

ワーママって本当に、大変ですよね。

しかし一方で、「どんな自分で在りたいか」を考え、自己理解を深める機会は、ワーママにならなければ、これほど多くは持てなかったのではないかな、と私自身は感じています。

ワーママが転職を考える時って、「どんな生き方をしたいか」という根本的な問いに挑んでいる時なんだと思います。

ワーママにとっての「転職成功」は、有名な企業に入れたとか、正社員で働けているとか、いくら稼げているとか、客観的な事象ではなくて、「自分が一番腹落ちできる仕事や働き方」を手に入れることです。そして、それを、状況に応じてメンテナンスしていくこと。

まずは、自分はどんな生き方をしたいと思っているのか、心の声に耳を傾けて、お友達やパートナーに本音を話してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

『Becoming』ではキャリア相談を承っております。
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