ワークライフバランスとは女性の永遠の悩み、出産育児と転職5回の両立を振り返って

私は第一子出産後、時短ワーママとして働くなかでワークライフバランスの悩みが絶えずあり、転職を5回経験しました。ライフイベントを意識する20代〜30代の女性が、自分にベストなワークライフバランスを理解し、さらにその働き方を実現できる職場を見つけるのは、本当に大変です。出産や育児といったライフイベントと転職活動を両立することは、現実問題かなりのパワーが取られます。今回は、出産育児と転職5回を振り返って実録を記したいと思います。

ワークライフバランスとは女性の永遠の悩み

未婚・既婚・子あり・子なしにかかわらず、ワークライフバランスや仕事とプライベートの両立は、女性にとって永遠の悩みなのではないでしょうか。

私は、未婚だった20代の頃は仕事が楽しくて、徹夜もいとわないような働き方をしていたのですが、まわりがどんどん結婚して家庭を築き子どもと授かるのを見て、「私のワークライフバランスは、これでいいんだっけ?」と悩みを持つようになりました。

仕事仲間で徹夜ばっかりしているデザイナーの女の子とも、「このままじゃダメだよね」という会話を何度したことか!(夜10時からの打ち合わせで、この会話をしてる時点で、ちょっとどうかと今なら思う)

結婚したら、家の事もちゃんとやりたいなと思った途端にワークライフバランスをすごく意識するようになったし、妊娠中は予期せぬ体調不良で絶対安静となったため、ワークライフバランスどころか働くこと自体にストップがかかりました。

ましてや子どもを授かってからは、ワークライフバランスは現実問題としてのしかかってきました。

子どもの年齢によって、ワークライフバランスへの要求は変化する

子育てをしながら分かったのは、子どもが0歳から1歳、2歳と成長するにしたがって、親の役割も変わるから、つまりワークライフバランスへの要求が少しずつ変化していくのだということ。

0歳のときは、できるだけ朝はゆっくり出社して子どもと過ごす時間を持ちたいと思った。朝の授乳の時間や離乳食を自宅で食べさせてあげる時間を確保したいという気持ちが強かった。

1歳を迎える頃には、朝の時間を自宅でだらだら過ごすよりも、保育園の生活リズムに合わせてあげたいなと思うように。勤務時間を少し伸ばしてもいいかなと思ったものの、1歳といえば歩き始めの時期。

そうなると子どもも保育園まで歩いて通いたい気持ちも芽生えるので、そうなると、また、朝夕の時間に余裕が欲しい〜!と、のんびりモードに逆戻り。

3歳になると、だいぶ体力もついてくるので、夜すぐに眠ってくれないこともしばしば。それに「一緒に遊んで!かまって!」というオーラもすごい。0歳の授乳時期とはまた違った意味で、体力が必要になると感じ、仕事を持ち帰って夜やるなんてことが難しく・・・。

完全に朝型に移行した。朝早くから元気に遊ばせた方が、子どもの発育にも良いし、朝から仕事に取りかかれた方が業務効率もいい。早起きすれば夜早く眠ってくれるし、親としても体力的にラク。

習い事の問題や、小学校に入ってからのフォロー、受験、いろいろなイベントがこれからもやってくる。「子どもが乳児を卒業すれば、ラク」なんて幻想なんだな、と悟ったのです。

つまり、20代の未婚の頃から、結婚、出産、育児、と、悩みはそれぞれ違うものでも、かれこれ十数年も、「ワークライフバランス」について考えながら生きてきたんですよね。

やはり女性は男性よりも、ライフイベントによるキャリアへの影響がはるかに大きいため、ワークライフバランスは女性の永遠の悩みと言えるのではないかと思います。

出産育児と転職5回を振り返って

出産前までは新卒で入社したR社に10年以上在籍していたのですが、たまたま退職を決めて引き継ぎや手続きを進めている最中に妊娠が発覚。もともとフリーランスとして独立しようと考えていたので、出産前はそのつもりで動いていました。

フリーランスで働くママが子どもを保育園に入園させることがどんなに大変か、一切知らなかったのです。調べれば調べるほど、フリーランスとしての実績がない、受注見込みも雀の涙ほどの私には、かなり不利でした。

そこで、フリーランスとしてお仕事を受注する予定だった企業に相談して、パートとして雇用していただくことを交渉。

保育園に入れないと働けない!(転職1回目)

こうしてフリーランスとして業務委託契約を結ぶ予定だった企業へ入社し雇用契約を締結したのが、1回目の転職です。

保育園に入園できなければ、お仕事を受けることすら難しいかもしれないことを説明して、どういう条件であれば保育園に子どもを預けられる確率が上がるのかを調べて、就労条件も相談させていただきました。

その時は、「雇用契約上はフルタイム契約だけど出産後しばらくは11時〜15時の時短」という扱いにしていただいたと記憶しています。無事、保育園には合格しました。

スキルアップにつながる仕事がしたい!(転職2回目)

このようにかなり柔軟な対応をしてくださる会社さんですから、当然?小規模な企業でした。人手不足ですから、いろんな業務を掛け持ちしなければなりません。

最初は、時間に制約があるし、一定領域の業務専任、という働き方だったのですが、手を挙げれば任せていただける職場環境かつ慢性的な人手不足ということもあり、完全にオーバーワークに・・・。

当初は広報・集客のみだった担当領域が、人事、労務、経理、プロジェクトマネジメント・・とどんどん広がり。少人数の組織ではありがちですよね。

仕事がとにかく終わらなくなって、仕事を持ち帰って夜やる生活を送るうち、(当時はまだ深夜1時と4時に授乳もしていたため)毎月1回は39度の高熱を出してダウンする、という日々が半年続いたのです。

子どもがいても働ける!成果を出せる!と見せつけたかったのかな・・・。もしくは、役に立たないと思われないように!と不安や焦りから意気込んでいたのかも。

体調を崩すようになったことと、なんでも屋になりたいわけでもないしな・・・と今後のキャリアを考え直して、専門性を伸ばせてスキルアップにつながる仕事をできる環境へ移りたいなと考えるようになりました。

運良く、希望するスキルが身につきそうな求人を、新卒入社したR社時代の先輩が紹介くださり、転職2回目に成功しました。

ワークライフバランスとスキルアップを両立したい(転職3回目)

専門性を伸ばせてスキルアップにつながる仕事、という面では、未経験から採用いただき、メイン担当として業務を一任されたので、学びも多くやりがいもあったのですが、唯一ネックだったのは「ワークライフバランス」です。

当初は10時〜16時の勤務でOKという話だったのですが、どうやら会社の就業規則的には10時〜17時しか認められていなかったのです。要は、「こっそり」帰ってもいいよ、という扱い。

これは非常に悩ましかった。ありがたいけど、悩ましかった。周りの目もあるし、周りに本当のことを話せないし、、、。結局、毎日、17時過ぎまで会社にいました。これはストレスだったですね。

それから、時短でも成果を出すためには効率をあげるしか方法がないにもかかわらず、効率を上げても次から次へと新しい業務が振られるのです!笑 これじゃあ、どこまでやっても終わらない!!

スキルアップは望めそう。だけどワークライフバランスはかなり厳しい。当時は子どもが2歳で、夜8時〜8時半には就寝させたいのに、退社時間が当初の予定よりも1時間以上遅れるようになったため、その分子どもの就寝時間が1時間近く後ろ倒しに。

このままでは子どもの成長にも悪影響かも・・・と考え、ワークライフバランスや柔軟な働き方が可能な職場を求めるようになりました。

早速、「リモートOK ワーママ」「リモートOK 時短  職種」などのキーワードで検索して、ヒットした求人に即応募。辞めようと決めてから、3ヶ月で転職できました。

ちなみに、キャリアコンサルタントの資格を取得したのは、この時期です。同時期に、会社からマーケティング検定の受験を命じられたのはかなり大変でしたが、無事に2つとも合格^^v  頑張ってたなあと思います。

ワークライフバランスを本当に大事にできる企業へ(転職4回目)

「ここだ!」と運命を感じて入社した3回目の転職先。長く勤めるつもりだったのですが・・・残念ながら、最短の9ヶ月で転職することになりました。職種も、働き方も、(年収がやや下がったこと以外は)希望通りだと思っていたのですが・・・。

入社してみて初めて、「これじゃ、意外と働きづらいかも」と分かったのです。理由は雇用契約にありました。

時短OKということで入社した企業でしたが、雇用契約上は「10時〜19時」の8時間勤務になっており、要は「8時間分の成果をあげてくれるなら、早く帰ってもOK」という契約内容だったのです。

この雇用契約で一番困ったのは、「8時間分の成果」を図る指標(人事制度)が整っていなかったこと。8時間分働いたとロジカルに証明することができないので、結局は自宅で「これくらいで8時間分の成果かな?」と思えるところまで業務を進める、という働き方に。

ワークライフバランス的には、16時すぎには退勤できるようになったことは希望通りでしたが、毎日のように持ち帰り残業を行うようになり、「これでいいのかなあ?」と悩むようになりました。

その他にもいろいろな事件があり、働きやすさも、働きがいも、まったくなくなってしまい、退職を決意。「やっぱり、時短で働きやすさも働きがいも、両方手に入る企業なんてどこにもないんだな」と失望していたことを覚えています。

ワークライフバランス、働きがい、スキルアップの3方よし(転職5回目)

私が勤められる企業なんて、どこにもないだろうなあと思いながらの退職でした。ちょうどキャリアコンサルタントとしての仕事も副業として始めた頃だったので、「時短、ワーママ、副業OK」なんて、やっぱりフリーランスが一番いいのかもっと本気で考えていました。

そこへ、たまたま前職の元社長が、いま私が勤務している企業を紹介してくださったのです。詳しいことは「副業OKの会社に時短正社員としてジョインします」で書かせていただきましたが、週4日勤務・時短・副業OKという雇用形態でスタートアップ企業に勤務しています。

結論からいうと、5回目にしてようやく転職活動が成功しました。ワークライフバランス、働きがい、スキルアップ、この3つが全て得られる環境があったのです。

この職場が自分にとって良いのか合わないのか、客観的に評価できる目を養えたから、そう思えるのだと思います。転職を重ねたことも、決して無駄ではなかった・・・!笑

というのも、転職を繰り返すことで自己理解を深めることができたからです。自分が希望する理想の働き方や、パフォーマンスを最大化できる働き方を自分自身が理解して、そのワークライフバランスを実現するために、絶対不可欠な条件と優先度の低い条件を精査でき、他者に語ることができるようになった。これは大きいです。

自分自身が仕事を通じてどんなやりがいを得たいのか、という働きがいについての自己理解も大切です。

それから、スキルアップを望める職場環境なのかどうかも非常に重要。これから仕事はどんどん機械に代替されていきます。AIの活用が進む中、自分のコアスキルをどこに定めるか、また技術革新に合わせてどのようにシフトチェンジしていくか。身につけるべきスキルについても、自分で考え自分なりの回答を得ていくことが必要な時代です。(予測不可能すぎて、前例や回答がないから)

ワークライフバランスを実現するために必要なこと

女性のワークライフバランスは、前述の通り、置かれている環境によって理想像がどんどん変化します。その時、どんなワークライフバランスを実現したいのかを明確に描くためには、やはり様々な視点から自分の状況を分析したり、自分の心の声に耳を傾けるしかないのではないかと思います。

女性のキャリアプランにロールモデルはいません。ワークライフバランスへの要求を大きく左右する、結婚・出産・育児というライフイベントに対して、女性は一人ひとり叶えたい想いが違いますし、お相手となる男性の価値観やサポートにも大きく左右されてしまうからです。

ワークライフバランスに悩んでしまったら、ぜひ相談にお越しください。第三者にワークライフバランスの悩みや、転職の希望を話すことから、自己理解が深まり、打開策の模索へ第一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

『Becoming』ではキャリア相談を承っております。
お仕事や就転職のお悩み、ワークライフバランス、女性のキャリア開発など、
お一人お一人の悩みに寄り添い伴走させて頂きます。
「家族のキャリア戦略(ファミリーキャリアプラン)」にご興味のある方、
ぜひ一度お会いしてお話しましょう!