#男の育児は迷惑じゃない というハッシュタグが、先週ツイッターで盛り上がっていた。自民党の萩生田議員の発言が「炎上」する形で、育児に積極的な男性たちのポジティブかつリアルなコメントに多くの賛同が集まっていた。
#男の育児は迷惑じゃない 盛り上がりの背景
「言葉の上で男も育児と格好いいことを言っても、子供には迷惑な話だ」自民党の萩生田幹事長代行の発言だ。
この言葉がツイッターで「炎上」。
・迷惑どころか助けてもらわないと育児がまわらない
・男性の育児参加を両親が大絶賛するけれど、今の時代は当たり前
・うちの子はパパと遊ぶの大好きです
さまざまな「迷惑じゃない」論が展開された。ツイッターで「#男の育児は迷惑じゃない」を検索してみると、リアルな声が溢れている。同じように感じている人がこんなにいるんだな、と励まされる。
なぜ違和感があるのか
#男の育児は迷惑じゃない
このハッシュタグがついたコメントに対して概ね賛同するものの、「どこか若干、違和感あるな」と感じていた。
違和感のひとつは、コメントする男性の大半は、パートナーとほとんど半々に育児を担っているように見受けられたことだ。
日本の男性の育休取得率は5.14%だ。昨年は3.16%だったから、5%でも過去最高だ。つまり、「#男の育児は迷惑じゃない 」と主張する男性のほとんどが、日本においてはマイノリティなのでは?と感じられたのだ。
もうひとつ、違和感を感じたことがある。それは、「手伝ってもらって助かっている」という、ママたちのコメントにスタンスかもしれない。
男性の育児は「お手伝い」ではない。子を持つ親になったのだ。参加することが当然だ。
「お手伝い」レベルの男性の育児は、確かに迷惑だ
男性が育児に参加することが迷惑か、迷惑ではないか。(この議論が、そもそも子育てにおいて的を得たものかどうかはさておき)
一番大切なのは、「誰にとって」迷惑か迷惑ではないか、だ。
これは当然、「子供にとってどうか」である。
私自身が夫に対して感じたことや、保育園のママ友から聞いた話を思い出してみると、「男性が育児に参加するにあたり、子供にとって迷惑であろう行動をとったこと」は以下である。
例
・寝かしつけの時間に帰宅して子供を起こす
・うんちのオムツ替えができなくて、ママを呼ぶ、来るまで待つ
・スナック菓子を与えすぎて夜中に子供が嘔吐した
・子どもから目を離してスマホを見ている隙に、子どもが怪我する ・・・などなど。
「不慣れ」が招く、子供に関する情報量不足
男性の育児が迷惑になる、たったひとつの理由。それは、男性(父親)が子どもと接する時間が少ないために起こる、「不慣れ」「子どもに関する情報不足」ではないだろうか。
もし、男性が育児休暇を取得して、赤ちゃんがいる生活において気をつけるべきことをもっと意識できていれば?
もし、男性が長時間労働に縛られず、平日から子どもを過ごす時間を維持することで、子どもの行動パターンを把握できていれば?
子供にとって「迷惑」とは、子供が安全かつ健康に育つことの妨げになることだ。子供に対する理解が進めば進むほど、迷惑リスクは軽減されるはずだ。
子育て政策に携わる方が、「子育ては母親の役割」という無意識のバイアスを自覚するのは最低限必要なことだとして、「父親」「母親」という性差にとらわれず「親」の在り方と「子供」の豊かな生育に焦点を当てた議論が進むことを願う。
フランスでは男女平等理念(未達成の目標です)が政策立案の前提にあるので、子育て政策でも、妊娠出産など身体的な性差があるケースでない限り、「Parent 親」という性別のない単語を使います。(高崎順子さんツイッターコメントより引用)
20代の男性を中心に、「育児に参加したい」「家庭と仕事を両立したい」と考える人は増えつつある。企業の働き方改革は、彼らの声にもっと耳を傾けるべきではないだろうか。
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