共働きの家事育児分担3つのパターン vol.8 — 家事育児分担と「可処分時間の不公平感」

連載【共働きの家事育児分担3つのパターン】vol.8では、共働き夫婦が家事育児の分担で衝突してしまう原因は、「可処分時間の不公平感」にあるという視点から、みんながハッピー&笑顔になる解決策を考えてみます。

夫婦がお互いに、「まず自分の仕事ありき」「自分がやりたいこと優先」で暮らしていては、どちらかが我慢したり不満が募ったりして当然です。

家事育児の分担を見直す際には、1日24時間から睡眠と家事育児という必要最低限の時間を差し引いて、お互いの可処分時間をいかに使うかについて、話し合うことをおすすめしたいです。

共働き子育て夫婦の「可処分時間」とは

図版_子育て夫婦の可処分時間

連載vol.7で触れましたが、これまでのような仕事中心で、家事育児を「タスク」と位置付けたり、家族の時間をなおざりにしてしまうような暮らし方は、時代に合わなくなりつつあるようです。

子どもに、きちんと暮らす力を付けさせる必要があることは、vol.7で既述の通りですが、

大人である親自身も、不確定要素の極めて多いこの時代を生き抜くために、いまの仕事を頑張る以外に、様々なことに注意を払うことが必要です。

例えば、働く期間が伸びることに備えた心身のメンテナンスや、テクノロジーがビジネスや働き方をどんどん変えていくなか、柔軟に適応してキャリアシフトできるための学びや副業など・・・。

(このあたりは、名著「LIFE  SHIFT(ライフシフト)」より着想を得ました。こちらの記事で、要点をまとめて解説しています。)

共働き子育て夫婦が、しっかりと子どもと向き合いつつ、家族の絆を育みながら、夫婦がともにキャリアを諦めず、家族みんなが笑顔で過ごすためには、

まずは、睡眠と家事育児の最低限必要な時間を確保したうえで、24時間から差し引き、

仕事やキャリア開発など自分のために使える時間、いわゆる可処分時間を明らかにして、

夫婦がともに、それぞれの可処分時間を有効活用できるよう、相互サポートすることが重要です。

残業ありきで働かない

そのポイントは、「可処分時間」のなかで、所定労働時間と残業時間をはっきりと区別することです。

私は、このように区別して捉えています。

仕事:所定労働時間の勤務、当日中に必ず終えるべき業務

生産性資産の構築:円滑な業務遂行に必要な残業や情報収集、同僚などとのコミュニケーション

所定労働時間内に、その日に必ずやるべき業務を終えること、できるだけ残業しないことは、退勤時間(そして子どものお迎え)をずらせない時短勤務ワーママなどには当たり前のことですが、

夫婦ともにこの前提に立って働くことは、「可処分時間」に対する目線を合わせるのに必要不可欠です。

可処分時間の構成要素4つ

図版_可処分時間の構成要素

可処分時間のうち、「WANT(できればやりたいこと)」について、説明します。ここが一番、「不公平感」が募るポイントかもしれません。

  • 生産性資産の構築

円滑な業務遂行に必要な残業や同僚とのコミュニケーション以外にも、業務の効率および質向上や収入アップにつながる、情報収集や学び、ネットワーキングなどを指します。

  • 心身のメンテナンス

日々の労働生産性を向上させるうえでも、働く期間が伸びる備えとしても、とても重要です。例えば、家族や友人などとリラックスして過ごすことや、ウォーキングやジョギング、ヨガ、瞑想などです。

  • キャリアシフトの準備

不確実な時代に柔軟に適応していく素養を高めること。具体的には、自分について十分に理解することや、新たな専門スキルを身につける学び直し、価値観や志をともにできる多様な人的ネットワーク構築などです。

お互いに仕事を持って、キャリア開発や自己実現しようと思っているのだから、共働き夫婦のいずれにとっても重要な取り組みだといえます。

家族単位で優先順位を話し合おう

図版_家族で優先順位を話し合おう

「やりたいことは無限にあるのにとにかく時間が足りない」のが、共働き夫婦ですよね。

さらに、子どもの教育に伴走するなどの時間も、必要になってきます。わが家も数年先は、お金も時間ももっと子どもにかける時期がやって来るのだろうなと思います。

家族の中で可処分時間の不公平感をできるだけ抑え、かつ家族の全員が自分の時間を有効活用できるためには、

家族みんなが、どんな「WANT」を持っているのかオープンに話し合って、いまは誰の何を優先すべきなのかを、家族単位で決めて行くことです。

いまは、誰の何の「WANT」を優先すべきか?

誰が、いつまでに、どんな成果を目指すのか?

そのために、家族ができるサポートは何か?

このような視点で話し合い、合意形成していくことで、不公平感が解消されていくばかりか、家庭は自己実現のプラットフォームになってゆくでしょう。

ちなみに、私たち家族は昨年(2019年)、2拠点居住にチャレンジしました。夫の社内での新たな業務経験・人的ネットワーク構築を優先して、5歳の息子も交えて家族会議を開きました。(当時の話し合い〜合意形成の様子は、こちらに体験談を掲載しています。)

共働きということは、当たり前ですが、お互いに職業人なのです。外せない打ち合わせやお付き合い、仕事にのめり込むべき時、スキルアップや学び直しの必要性など、様々な要望があって然るべきです。

そうしたキャリアニーズをお互いに打ち明けて、お互いが「必要な可処分時間」を確保できるように折り合い点を見いだすことこそ、家事育児の分担を話し合う上で最も重要なことなのではないでしょうか。

 

vol.9 — 共働きの家事育児分担3つのパターン は、こちらに掲載しました。

 

▼連載初回では、「共働き家事育児」の総論(まとめ)を図解しています。