vol.5 ライフロールと時間の使い方〜ファミリーキャリアであゆんでいこう〜

結婚・出産・育児などのライフイベントとともに、人生における役割は増えたり変わったりするものです。連載ファミリーキャリアであゆんでいこう vol.5 では、「ライフロールと時間の使い方」をテーマに、ありたい姿を模索する方法をお伝えします。

ライフロール(人生における役割)とは

子ども時代には、学生という役割だけですが、大人になって働き始めると労働者という役割、社会における市民という役割が増えていきます。

さらに、結婚・出産・育児などのライフイベントとともに、配偶者として、親として、と役割は多岐に渡っていくものです。

1人でさまざまなライフロール(人生における役割)を果たすべき、というのは、男女ともに同じこと。

そのなかで、どの役割をどのように果たしていきたいか、「ありたい姿」を明確にして、パートナーや家族と話し合うことで、

お互いの「ありたい姿」を、より深く理解し、よい関係を築いていくことができるのではないでしょうか。

 

2019年4月、ウェブメディア「ビヨンド」さんに寄稿させていただいた記事で、この点については掘り下げて考察していますが、

https://boxil.jp/beyond/a6225/

 

参考にさせていただいたのは、ドナルド・E・スーパーというキャリア発達論の提唱者が示した「ライフ・キャリア・レインボー」です。

 

ライフ・キャリア・レインボーとは

スーパーは、幼児から老年まで、年齢ごとに5つの発達段階があると提唱しました。「ライフ・ステージ論」です。

5つの段階はこちら。

  • 成長段階:0歳〜14歳
  • 探索段階:15歳〜24歳
  • 確立段階:25歳〜44歳
  • 維持段階:45歳〜64歳
  • 下降段階:65歳以降

人生100年時代において、この年代別区分や発達過程だけで果たして十分かどうかは、3ステージからの脱却という観点で、別の議論があるかと多いますが、

概ね人生とはこのような過程を辿る、ということは、多くの方が異論ないのではないかと思います。

 

そのうえで、この発達段階ごとにライフロール(人生における役割)が変化していく様子を示したものが、「ライフ・キャリア・レインボー」です。

文部科学省「高等学校キャリア教育の手引き」より引用

 

ここでは、このように役割が明示されています。

  • 子ども
  • 学生
  • 余暇
  • 市民
  • 労働者
  • 家族
  • その他さまざまな役割

 

長寿化が進むいま、子どもとしての役割も、労働者としての役割も、もっと高齢になるまで果たす傾向が強いですね。

また、学び直しが必要になるため、学生としての役割を30〜40代などで再び持つ方も増えています。

カーボンニュートラルなど、地球規模での課題を解決するためには、市民としての役割意識を改める時代でもあるでしょう。

 

ライフロールと時間の使い方

このように、多くの役割を果たすべき時間が、従来よりも増えていることは注視すべきかと思いますし、

子どもにも伝えていくべきことだと考えます。

 

そして、自分が果たすべき役割は、そのときの状況で変わっていきます。

 

ですから個人的には、「家族」を「配偶者」「親」という2つの役割に分類して考えたり、

「余暇」を「再構築」(ただ休むだけではなく、自分自身を模索し無形資産を構築する)と置き換えてみたりして、

役割設定を行うことも、「ありたい姿」を模索する上で大切な過程なのではないかと感じています。

 

その中で、自分が果たすべき役割ごとに

  • いま、どの役割に、どれくらいの時間を使っているか
  • 本当は、どんな時間の使い方が望ましいのか

このギャップを把握することが大事です。

 

役割ごとの時間の使い方を可視化することで

日々の過ごし方を意識的に調整したり、

家事育児の分担について家庭で話し合ったりする、きっかけになるのではないでしょうか。

 

ライフロールと時間の使い方を可視化するためのワークシートも用意していますので、

ご興味がある方はぜひこちらから、オンランキャリア相談をお申込みください。

(ブログからもダウンロードできる仕組みを整えようと思っていますが、パワー不足で追いついておらず・・すみません汗)

 

次回vol.6では、シュロスバーグの4S理論について解説します。

 

●連載一覧の表示の仕方:記事の下のほうにある「# ファミリーキャリアであゆんでいこう」をクリックしてください。

 

▼連載初回では、ファミリーキャリアとは何か、夫婦で「家族としてのキャリア戦略」を話し合い描くためのフレームワーク9つの概要と目的についてご説明しています。

ファミリーキャリアであゆんでいこう vol.1 総論:夫婦で話すフレームワーク 9つ